フリースクールとは

 不登校支援に携わる民間施設として、近年注目を集めているのがフリースクールです。ただし、フリースクールという施設自体は数十年前から存在します。

 フリースクールとは何かを考えるうえで、一つ重要な考え方があります。それは、不登校は「人生の迂回路」、または「振替ルート」というものです。子どもは途中で学校に戻るかもしれませんし、そのまま学校に行かないかもしれません。どちらの選択をしたとしても、周りの大人がきちんとその子どもをサポートしてあげる必要があります。ですから、フリースクールはそういった子どもの選択をサポートするための施設であるとも言えます。そのため、鈴蘭学園に不登校の子どもが来たら、私たちは、「よく来たね。今までよくがんばってきたね。」と迎え入れ、学校に戻ると決めた子どもには「よく決めたね。もう一度がんばっておいで。だけどいつでも安心できる場所はあるからね。」と送り出します。学校復帰は子どもの決断であって強要するものではなく、その意思をできるだけ尊重します。したがって、フリースクールというのは、少なくとも学校復帰のための訓練をする施設ではないということは言えるのではないでしょうか。学校に行くか行かないかだけを考えるのではなく、子どもと家庭が社会とつながりを持ち続けるために必要な支援を行うための場所だと考えるのが、実情に一番合っていると考えられます。(学校はここで言うところの「社会」の中に含まれます)。そのために必要であれば学校とも連携しますし、学習支援も行います。

 とは言え、やはり「学校の代わりなんでしょ?」と思われる方も多いかと思います。実際にそういう機能もあります。ただ、子どもの生活の中での位置づけは、学校とは少し異なる部分もあると考えています。学校の場合、何か特別なことをしなくても、その学校の生徒として通うこと自体が社会参加となり、自分が社会とつながっているという実感を持ちやすくなります。もちろん、学校に通っていてもいなくても、この社会に生きる以上はその一員であることに変わりありません。あくまで実感として感じやすいかどうかという話です。逆に言えば、学校が苦手な子どもは、学習の機会が少ないことはもとより、学校に通うことで得られる社会とのつながりを感じにくい傾向があります。そのため、フリースクールが間に入り、子どもや家庭と社会をつなぐ扉の役割を果たすのです。鈴蘭学園を含むフリースクールは、単純に学校に行くか行かないかだけを考え、行かない場合に学校の代わりになるというだけの施設ではなく、様々な活動やコミュニケーション、学習経験を通じて、この先長い子どもの人生の最初の段階でのつまずきを軽減し、安定した状態で人生の次のステップに進んでいくためサポートをする場所なのです。

 フリースクールの運営主体や規模などの形式的な話をしますと、それは各施設により違いがあります。運営主体としては、(認定)NPO法人、一般社団法人、株式会社などの法人や、法人格を持たない任意団体もあります。フリースクール鈴蘭学園の場合はNPO法人となります。規模についても、ボランティアの人たちが集まって週に数回程度開いている所、複数のスクールを抱えている大きな法人、公設民営で行政と協力しながら運営している所などもあります。

 各フリースクールが、どのような方法で支援を行っているかは、その施設の方針によって大きく異なります。勉強を中心とするところ、寄宿生活を送るところ、運動を通して外に出ることを目指すところ、家庭や学校以外の第3の居場所を提供するところなどです。運営主体もサービス内容も施設によりまちまちのため、「これがフリースクールだ!」と一概には言えないのですが、各フリースクールの特色を見て、どの施設を利用するのが適切なのか検討するとよいでしょう。

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